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[中学受験コラム]

2009年度中学入試の総括と2010年度の展望

2009/07/16

延べ応募者数の増加で中高一貫教育の人気継続

 最初に、二〇〇九年度の首都圏中学入試を振り返ると、二〇〇八年度同様小学校卒業生のうち、6人に1人が中学受験をするという高い受験率を維持し、厳しい入試状況に変わりはありませんでした。
 二〇〇七年度以降、受験生の一人あたりの受験校数は止むことがなく、二〇〇九年度も6・53校という高い数字が見られました。一人が7校を受験することも珍しくなく、混戦が予想される二〇一〇年度はさらに受験校数が増加する可能性があります。一人あたりの受験校数が増加することで延べ応募者数も増加し、二〇〇八年度よりも合格率(選り好みしない場合のどこかの私立中学校に合格できる確率)は上昇したものの、入試状況が易しくなったという実感はなく、前年同様厳しい入試状況となりました。
 併願校受験数の増加の背景には、やはり受験生の父母による中高一貫教育への期待があり、今後も私立中学校受験の熱は冷めやまないでしょう。

サンデーショックの影響と二〇一〇年度に起こる揺り戻し

 そんな厳しい入試状況に加え、二〇〇九年度は数年に一度の「サンデーショック」の年でした。東京・神奈川の私立入試開始日である2月1日が日曜日にあたり、宗教上の都合で日曜日に入試を行わない多くのプロテスタント校が入試日を2月2日へ移しました。
 特にミッション系の学校が多い女子の入試には影響が大きく、例年では起こりえない「桜蔭―女子学院」「雙葉―女子学院」といった御三家同士の併願も可能となりました。実際に、女子学院では受験者数が1135人にのぼり二〇〇八年度比359人の増加、立教女学院でも受験者数が461人で二〇〇八年度比より105人の増加となりました。
 サンデーショックのあおりを受け、応募者数が減少した学校もありましたが、入試回数を増やしたり、募集定員の配分を変更する学校も多くあり、いままでのサンデーショックの年と比べ各校の人気や難易度は今後さらに予想しにくくなるでしょう。

午後入試校の受験生増加3人に1人が午後入試

 二〇〇八年度も受験者数を伸ばした午後入試ですが、二〇〇九年度は更に受験者数を伸ばし、午後入試の人気は留まることを知りません。2月1日の入試だけで見ても、15414人が午後入試をしており、前年と比べて受験者が7%増えた計算になります。
 午後入試の人気は高まる一方ですが、1日に2回の試験を受けることで体力も消耗しますし、また翌日の試験に影響を与えかねません。科目数や移動時間等を計算し、事前に当日のスケジュールを練り、万全の状態で入試に臨めるようにしましょう。

地方私学の首都圏会場入試難度上昇に伴い一部上位校が敬遠される傾向

 首都圏の入試に向けて、1月上旬に首都圏会場で地方の私学を受験し、力試しをする形がここ数年浸透してきました。二〇〇九年度の入試では、応募者が減少し、男子では函館ラ・サールで94%、那須高原海城(一般?)で79%、佐久長聖で75%、女子でも函館白百合(前期)で90%、佐久長聖で57%、と前年と比べ応募者を減らしました。前述の学校は最近難度が上昇したため、受験生が敬遠したものと考えられます。
 受験者数が安定してきた地方私学の首都圏会場入試では今後学校同士での競合が予想されます。

新設校は公立私立共に高倍率。予想以上の激戦

 二〇〇九年度の中高一貫の新設校は、私立では東京農大第三と日大藤沢が挙げられます。
 私立の2校は首都圏の中でも地理的にあまり優位ではありませんでしたが、蓋を開けてみれば予想以上の高倍率となりました。東京農大第三は4回の入試での募集数100人に対し、応募者合計で1995人、日大藤沢は2回の入試での募集数80人に対し、応募者合計440人が集まりました。試験科目は、日大藤沢では2回共に全て4教科、東京農大第三では1回目が2科4科選択型、その他の日程は全て4教科でした。4教科受験の主流化はここ数年で始まったことではありませんが、将来の大学受験を見据え新設校でも今後4教科受験を積極的に取り入れていく可能性があります。


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